2014/03/10

【土木チャンネル】増税直前!デフレ脱却策とは 本田悦朗氏に聞く

 土木チャンネル『築土構木の思想』11人目の対談相手は、内閣官房参与でもある本田悦朗静岡県立大教授。聞き手は藤井聡京大教授。アベノミクスの立役者と言われる本田氏に、デフレ脱却に向けて必要な対策を聞くとともに、エネルギー安全保障も含めた国土強靱化についても、その考えを聞く。本田氏は「貨幣の量によってインフレ、デフレは基本的にコントロールできる」とした上で、機動的な財政運用を求めた。また、エネルギー安全保障に対してはメタンハイドレートに着目し、「早めに自前のエネルギーを持つ」ことの重要性を指摘する。
 アベノミクスの「肝」は、15年間という世界に類を見ない長期デフレからの脱却。本田氏は「01年にゼロ金利を解除し、金利を上げたことが時期尚早だった」と指摘。「脱却のチャンスはあったが、それに対する政策が十分ではなかった」と振り返る。デフレが続くことで「将来に対する不安が、若い人の気力を萎えさせるし、子どももあまり産まなくなる」と論じる。「それが、昨年1年で様変わりした。2%というインフレターゲットを設定し、日本銀行の黒田東彦総裁がそれに向けた具体策を示しただけで、日本の様子が変わった」と語る。
 一方で、4月からの消費増税に触れ、「増税するなら、経済対策を同時に出すこと」で、増税に伴う経済の悪化は乗り越えられると強調。そのために「やれることはすべてやる」覚悟が必要だとも。
 中小企業対策では、地域経済を担っている地方銀行、信用金庫の役割を重視する。「これまで国債購入が中心だったところに、新しい投資先を引き出す」ために「審査能力を生かし、中小企業ならではの、ニッチで、よりユニークなところ、独自のノウハウを持っているところを大事に育てていき、それを大きな可能性に変えていってもらいたい」と要望する。
 藤井氏は「(大地震など)超巨大国家リスクを背負っているわが国としては、他の国がやっていることを、そのまま適用するのではだめだ」と述べ、国のあり方・仕組みを踏まえた独自の国土強靱化が必要だと提起。「強靱化していないと100兆円を超える損失が出る。むしろ、それ(強靱化)自身が成長戦略だ」と主張する。本田氏は「わが国は、いろいろな工夫で自然災害を乗り越えてきた」とした上で、エネルギー安全保障にも言及。メタンハイドレート開発の必要性を訴える。
 対談は3回に分けてアップされる。1回目は10日。以降、17、24日の予定。
 
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